← 教材に戻る 指導案:古事記「国譲り」— 出雲から大和へ

指導案:古事記「国譲り」— 出雲から大和へ

学校段階・教科 中学校 歴史 第1学年
所要時間 2 単位時間(物語としての読み 1 時限+政治的解釈・現代との関係 1 時限)
本文の目安時間 約 35 分
学習指導要領
  • 歴史 B(1)ア / 古代国家の形成 — 神話による政治統合
  • 歴史 B(1)イ / 古代の人々の生活と信仰
  • 歴史 B(2) / 古代の文化(神話・出雲大社・国家神道との関係)
準備物
  • 古事記上巻「国譲りの段」の原文プリント
  • 島根県(出雲大社・稲佐の浜)、長野県(諏訪大社)、茨城県(鹿島神宮)の地図
  • 出雲大社の写真資料と、その壮大さ(古代は48mの高さがあったという復元説)の解説
  • 戦前の教科書(修身・国史)から「国譲り」の記述抜粋
  • 1945年12月15日 GHQ神道指令の関連資料

単元概要

古事記上巻のクライマックスの一つ。出雲のオオクニヌシが治めていた地上の国を、高天原のアマテラス・タカミムスビが取り上げる「政治的統合」の神話。三度の使者・タケミナカタの抵抗・出雲大社の創建という三つの軸で物語が展開する。本段は、戦前に「天皇支配の神話的正統性」の根拠として国家神道で大きく利用された経緯があり、戦後はそれへの批判的視点が必要となる。中学校歴史教育では、「神話を歴史史料としてどう読むか」「神話の政治的機能」という、史料批判の核心に触れる教材として位置づけられる。

本時の目標

  1. 古事記上巻の重要段「国譲り」を、原文と現代語訳の両方で読む
  2. 三度の使者と力比べという物語の構造を捉える
  3. 出雲大社の起源神話と、地上世界の祭祀権の分割を理解する
  4. 戦前の国家神道での利用と、戦後の批判的視点の両方を踏まえる
  5. 神話を「正統性の根拠」とすることの史料批判的問題を、生徒自身が考える

授業の流れ

時間 活動
1時間目(物語として読む) 「天の岩戸」「ヤマタノオロチ」「因幡の白兎」段(既習)の流れを確認し、本段がオオクニヌシ(因幡の白兎を救った末弟)の物語の終わりにあたることを共有。本教材を音読し、三度の使者の派遣を表に整理。タケミナカタの抵抗と諏訪までの逃走を地図で確認。
2時間目(政治・歴史として読む) 出雲大社の壮大な建築(古代48m説)の写真を見て、神話の中の交換条件「天つ神の宮と同じほど壮大に」が現実の宗教施設として実現していることに触れる。続いて、戦前の修身・国史教科書での「国譲り」の扱いを示し、なぜそれが「天皇支配の正統化」に用いられたかを確認。1945年のGHQ神道指令で国家神道が解体された経緯と、戦後の史料批判的読みを紹介。最後に、現代の私たちはこの物語をどう読むべきかを討論。

発問・話し合いの軸

発展課題

教師控メモ

生徒の反応・気づき
時間配分の振り返り
次回への改善点