← 教材に戻る 指導案:教育ニ関スル勅語(教育勅語)— 1890年の理念と1948年の失効

指導案:教育ニ関スル勅語(教育勅語)— 1890年の理念と1948年の失効

学校段階・教科 中学校 公民 第3学年
所要時間 3 単位時間(重点的に扱う場合)/1〜2 単位時間(資料学習として扱う場合)
本文の目安時間 約 35 分
学習指導要領
  • 公民 A(1) / 個人の尊重と日本国憲法、基本的人権の尊重
  • 公民 A(2) / 民主政治の発展、国民主権の原理
  • 歴史 (5) / 近代日本のあゆみ — 明治国家の形成と国民意識
  • 歴史 (6) / 二度の世界大戦と日本
準備物
  • 教育勅語の原文プリント(漢字に振り仮名つき、現代語訳併記)
  • 衆議院「教育勅語等排除に関する決議」(1948年6月19日)抜粋プリント
  • 参議院「教育勅語等の失効確認に関する決議」(同日)抜粋プリント
  • 日本国憲法・前文と第1条のプリント
  • 教育基本法(2006年改正)第1条・第2条のプリント
  • 戦前の小学校の入学式・卒業式の写真資料(奉安殿、奉読の場面)

単元概要

教育勅語は、戦後日本の教育のなかで長らく「触れない」「ほぼ取り上げない」教材だった。しかし、2017年以降、政府答弁で「教材として用いることは否定されない」とされ、扱いに議論がある。本教材は、史料批判の対象として読むという公民教育・歴史教育の正攻法に立ち、原文と1948年の国会決議の両方を一次史料として提示する。ねらいは「教育勅語は良いか悪いか」を二者択一で答えさせることではなく、「ある文書が58年間日本の教育の根本指針とされ、なぜ国会の両院決議で否定されることになったのか」を、歴史的経過と憲法の構造変化のなかで、生徒自身が考えるための材料を提供すること。

本時の目標

  1. 教育勅語の全文(315字)を、当時の表記のまま読み、語注をたよりに意味をつかむ
  2. 「個人徳目」と「国体観念」が一つの文書のなかで結びついていた構造を理解する
  3. 1948年に国会が「排除」「失効確認」を決議した理由を、日本国憲法との関係から考える
  4. 戦前と戦後の教育観の違いを、歴史的経過のなかでとらえる
  5. 「過去の文書をどう読むか」という、史料批判の基本的な姿勢を身につける

授業の流れ

時間 活動
1時間目 教育勅語の全文を、語注を頼りに音読する。漢文調が苦手な生徒には現代語訳併記を促す。文書を冒頭(国体宣言)・中盤(徳目)・末尾(国家動員)の3パートに分けて構造を把握させる。
2時間目 列挙される14個の徳目(孝・友・夫婦相和・朋友相信・恭倹・博愛・修学・習業・智能啓発・徳器成就・公益・遵法・義勇奉公)を表に整理。生徒自身が「現代でも通用するもの」「戦前固有のもの」「両義的なもの」に分類する。「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」を取り上げ、これが日中戦争・太平洋戦争でどう動員されたか、教科書・資料集と照らす。
3時間目 衆議院「教育勅語等排除に関する決議」と参議院「教育勅語等の失効確認に関する決議」(ともに1948年6月19日)を提示。なぜ「排除」と「失効確認」で表現が違うのか、両院の議事録抜粋から考える。日本国憲法(前文+第1条)、教育基本法(前文+第1条)と比較し、「臣民」から「国民」「個人」への転換を整理。

発問・話し合いの軸

発展課題

教師控メモ

生徒の反応・気づき
時間配分の振り返り
次回への改善点